フリー刺繍家天野寛子先生の個展を見るために岩手県の盛岡へ行ってきました。
東北自動車道で1時間40分。孫連れで黒田さんと私の二人運転です。
黒田さんは初めて。私は数度目の盛岡訪問ですが、盛岡はジャジャメンとか盛岡冷麺とかの名物の
食べ物も多いけれど、町全体が花と文学と歴史に彩られた美しい町です。
今は身体がしんどくなってお休み中ですが、花の栽培を仕事にしていた私にとって、町の中心部に
置かれ吊り下げられ花壇を埋め尽くす花々の管理がどのようになされているのか、実に興味深くて
町の人に「どうしたらこんなことができるのですか」と聞きたい気持ちになります。
中心部の花々。
天野先生の展示は萬久ギャラリーで行われていました。今年3月に陸前高田の奥まった仮設住宅の
集会所で見せて頂いてからまだ3ヶ月。この3ヶ月の間に福島の第一発電所全体を俯瞰した刺繍画が
また一枚できあがっていました。
東関東大震災の報道写真を針と糸で刺繍に縫い取ってしまう。それだけでもこういう仕事をなさるのは
日本中で天野先生ただ一人ではないか、と思えるほどの稀有な刺繍画なのに、その絵柄を見て先生の心
に浮かんだ先生の言葉までが針と糸で文字に縫い取られています。そしてその色の鮮やかなこと。
あの悲惨な報道写真が先生の頭の中に入ると、どうしてこんなに鮮やかな色に変わるのか、と
驚かされます。
昨日土曜日は100人ほどもお客様が見えたそうです。先生の展示は毎回毎回身に来る人の数を増やして
いる気がします。
しっとりと落ち着い佇まいのギャラリーでした。
用意されたお菓子をもくもく食べることに専念している孫。
せっかく来たのだから北上川沿いの材木町にある光源社へ。
注文の多い料理店出版の地と刻んであります。
まだまだ見たい、歩きたい、感じたい、ところが盛岡の町にはたくさん。
もうちょっと寒くなかったら住みたいなあと思う町なんですが、盛岡は寒い!!
だから春や夏がこんなにきれいなんでしょうね。
天野先生の展示は11月に高知で行われるそうです。新聞バッグinニューヨークプロジェクトの団長梅原真
先生ゆかりの県立美術館において。
Oh! ご縁を感じます。
天野先生、大変なご活躍なので、お体を大事にして臨んで頂きたいと思います。