50年のサイクル

晩秋のある日、畑で熊除けに大音響でかけたラジオの国会中継を聞きながらインゲンマメを採ってました。
収穫をするのは楽しい無心の時間です。ところがラジオの中継になんとも聞き捨てならない名前が何度も
登場します。

「〇〇〇」。                                                             会社の名前ですが、かつて私が働いた会社の名。夫が大学卒業以来仕事をしてきた会社でもあります。
その会社が突然に不当に社員を解雇している。そんな横暴を許していいのか。応えよ、野田総理、という質問でした。野田総理がウヤムヤと答えようがまた元に戻って「こんな解雇を放置するのか。野田総理」とオウムのように
同じ質問が繰り返されます。 続きを表示

地域を守る

正月の2日は毎年決まって集会所でこの集落の新年会があります。たぶん何処の集落も日にちは違うかも
しれないけれども同様の新年会をやるんだろうと思います。

 

会費は私たちが当地に来た12年前から1万円で今も変わらず。夫は雪降りしきる中、傘をさして1万円
持って歩いて集会所に向かいました。

 

私の住むこの地区の世帯数は12年前はこの別荘地の住民も入れて30世帯くらい。
そして今は24世帯。そのうち一人暮らしが3分の一。子供はいないので先行きの人口としては寒-い
状態です。

 

正直私はこんなふうになるとは思ってなかった。
この地域は駅にも高速道にも町にも30分以内で行けるし、雪も深くは降らない。学校も保育園も公民館も
郵便局も派出所も歩いて行ける距離にあるし、食品スーパーもホームセンターも車で15分も走れば
3つも4つもあって、車さえ乗れれば生活の不便はありません。病院は小さいのから救命救急医療センターが
ある基幹病院まで時間をかけずに行けるし、救急車は呼ぶと5、6分で到着します。

 

こんなに便利で山も川も美しく人情も優しい土地には滅多に出会えない。                        私のようなよそ者が別荘地であれ何世帯か住み着けば、人口は増えるのではないか、と考えてました。

 

でも全く甘かった。
高齢化のスピードのほうがうんと早く、子供の姿を見かけなくなり、普通に言う就職という意味での仕事場は
ないので、遠くない先には限界集落になるのでは、という思いが今は強いです。

 

古い小さい集会所は311の大地震で見事に壊れました。集会所だけではなくてその近所の家々も大規模に
壊れて修復不可能で解体したところもあります。

 

集会所の修復には1千万くらいの費用がかかる。でも行政からの補助は出ない。ということで何度かの
話し合いがもたれました。
「1年に1度の新年会くらいしか使わない集会所だったらお金出して直さなくてもいいんじゃない?。みんなあちこち壊れてお金ないんだから」
というのが私ともう1軒、別荘地に住むよそ者のビジネスライクな乱暴な意見。

 

でも集落の人たちは違ったんですねえ。
みんなでお金を出し合って、役に就いている方は応分かまたはそれ以上の負担を担って、昨年の秋に
新しい集会所が出来上がったのでした。これからはそこで新年会だけではなく、違ったこともやっていきたい
ということでした。

 

今日は新装なって第1回目の新年会です。
1軒1軒の敷地が広いために、隣家の人の顔を1年間見ないことも不思議ではない土地柄です。
あの人はどうした?この人は元気か?と近隣の人の情報を得る場でもあります。

お昼過ぎ、出されたお寿司を持って夫が帰ってきました。
県会議員のNさんもみえたそうです。きっとこの先の復興がどうなるのかお話しをされた筈です。

雪が止んで雨に変わりました。                                                  これからお茶でもいれて、集会所での話を根掘り葉掘り聞きます。
お正月はいいものです。のんびりとして。