東北村会議

開けて9日は東北村会議。

会場のよっちゃん宅に午後3時に行くと、軒から煙がもくもくもく。
何の煙かなーと思ったら、昨年冬から稼働しているよっちゃん手作りのマキストーブの煙なのでした。

農家というのはいいですねえ。
必要だと思ったら、なんでも手作り。
できるだけ自分の周りにあるもので材料を調達して、仕事の合間の時間を調整して少しづつ作っていく。

よく本屋に田舎暮らしの雑誌がきれいな色刷りで並んでいるじゃないですか。田舎に土地を得て、素敵な木造とかの家を建てて、自然酵母のパンを焼いたり石窯でスパゲティー作ったりハーブを育てて乾燥させて吊るしたり、
素敵だなあ、と田舎暮らしをしている張本人の私が羨んだりしてますが、実際にここに住んでみると、
よその土地から来た人たちの田舎暮らしはけっこう素朴です。

 

町を流れる川のすぐ近くにある週末蕎麦屋さん。
そば打ち職人さんだけど、手作り家具の職人さんでもある。週末だけ蕎麦を打って、自力で作ったお店で(厨房から
店内のインテリアまで自作だそうです)お蕎麦屋さんをします。、河原の畑では変わったカボチャや好きな野菜を
栽培し、採れたルバーブやイチジクでジャムを作る。何回かもらいました。ここ3、4年お蕎麦でプリンをつくり、
新たに自分で加工場も作って道の駅やその他のお店でのソバプリンの販売も始めました。

お蕎麦を食べに行くと、自作の漬物を朱色の塗りお椀に入れて出してくれます。美しくておいしいです。
お蕎麦屋の名前は愉多工房。岩出山にお出での際には寄ってください。

田舎暮らしの雑誌の写真のようではないけど、いつも工夫して何かを作っていて自由で何時出会っても元気で
楽しそうで、田舎暮らしのよさはこんなところにあるんだな、と思わせられます。
私もたぶん同じようなものだと思います。

 

さて、東北村会議。

きのう、(株)ファミリアさんの超近代的野菜加工場で超先進的かつ高価な機械を見た後での今日の東北村
会議なので、参加している面々も仕事のやり方もあまりにも違う、180度くらい違う感じがして、思わずおかしくなってしまいました。

でもやっていることの根幹は同じ。大きなお金を投資して大事業を展開するのも、よっちゃんや東北村の村民のように地場の産物を自分の手や体でじっくりと丁寧に作り上げていくのも、東北の経済を発展させ、被災地に仕事を創ろうとする想いは同じです。やり方が違うだけ。

今日の会議の眼目は来る1月4日からの新宿高島屋の催事出店の企画立案です。
できるだけ多くの東北の産物を紹介して、できるだけたくさんの生産者の顔を見せて、できるだけ現地で現物を
試食してもらって、と企画の妄想は膨らみます。

このところぶっつづけで新聞バッグ制作から、仙台市内のナビ役、その他細々と雑務を引き受けてくれている
よっちゃん奥様みっちゃんが、採れたての新米でみんなのために夕食を作ってくれました。
ありがとうございます。おいしいヨッ!

遅くなって石巻の外れで15町歩の無農薬のお米を作っている田伝むしさんが参加。
本気で農業と取り組んでこられる方のお話は、ほんとにほんとに何時まで聞いても飽きないくらい面白い。
話題は自分が作るお米から外国の干ばつによる穀物の不作、ホルムズ海峡の石油まで森羅万象
つきることがありません。

 

何時の間にやら本筋をを外れて田伝むしさんの独演を聞いているような形で会議終了。

ああ、面白かった!