驚いたことに私に講演の依頼をして下さる方がいました。
いやー驚いた、驚いた!
でも今私は、特に長野に行ってから、知らない方の前で「話そう」と「話すように努力しよう」
と考えるようになりました。なぜかというと伝えたいことがあるから。
私が伝えたいことは新聞バッグの中味です。海の手山の手ネットワークはたくさんの新聞バッグ
をインストラクターに作ってもらって販売してますが、新聞バッグの制作代を被災地や借り上げの
仮設住宅で暮らすKAさんやsaoちゃんやKEIKOさんに稼いでもらうのも重要な目的のひとつです。
でもそれだけではないのね。
津波や原発事故で家から離れて何にもなくなっても、今ここにある紙や紐や糸、残ったモノで でこーんなに素晴らしいモノができるんですよー、と伝えたい。新聞バッグは商品ですが、
バッグの中味には大きな意思と大切な思いが詰まっているのです。あるモノを使おう。モノを
大切にしよう。自分の分で生きよう。分を超えるとお金お金となり、人と人との繋がりも想い合う
心も失くしていくんですよー、と。
いっぱい持ってたらなかなか言いにくい上っ面の言葉だけど、なにせほんとに何にもないものだから
言えます。自信を持って。
というようなことを今日、聞いてくださる裁判所の女性調停員の方々にお話しすることにしました。
聞いてくださるのは素晴らしい方がたでした。中に木綿のちじみの着物に博多帯をきっちりと締めた
Tさんがいらっしゃいました。手には見事にコーティングされた英字の新聞バッグ。 うれしい! この粋な組み合わせ!
調停員というのはトラブルを抱えたたくさんの市民の重たい問題を聞いて一緒に考える、気が抜けない
大変なお仕事だと推察します。一人一人しっかりとした意見を持たれていて、講師の私のほうが
お話をひとつひとつ聞きながら学ぶことの多い貴重な時間でした。
呼んでいただいてまたひとつ世界が広がった、という気がします。
私たちが長野に行っている間に、九州の方から「応援するよ」とご連絡をいただきました。そして今日は
下関の布でモノ作りをする方からも「応援をするよ」と連絡がきました。
こんなことがあるので、人と人との出会いがあるので、人と人との出会いは海山ネットのかけがえのない
財産なので、これからも出かけていこうと思います。
さつき会の皆さま、今日はほんとうにありがとうございました。
とても楽しかった。お会いできてよかった、と心から感謝しています。