長野へ

週末に長野に行きます。

ここに来る前、山に登っていた時にはずいぶん軽井沢とか霧ヶ峰とか行ったけれど、まさか宮城から
新聞バッグを持っていくことになろうとは、想像もしませんでした。ほんとに人生わからないもんです。

宮城からみると長野はほんとに遠い。車で行きますが、正直体力に不安が残る。

さて、今回本気で宣伝販売するのは新聞バッグ。いろいろなバリエーションがあります。新聞紙5枚で
作るーまるでパズルのような作り方のー大新聞バッグ、中も小もありますが、またこれがトート型だったり
まちつきだったりなので、全部は持って行けず、中心にするのは皺加工新聞バッグです。

新聞を皺くちゃにして作る新聞バッグは難しいです。皺くちゃにするのも難しいし、合わせるのも大変。
でも出来上がったバッグはふんわりして風合いが優しく好い感じです。素敵ないいモノです。

是非長野のみなさんに宮城の仮設住宅ではこんな素敵なものを作っています、と伝えたい。
南相馬から避難してきたKAさんも、こんなに新聞バッグ作りの凄腕になってます、と伝えたい。

新聞バッグを東北以外でも知ってもらって広がったら、南相馬や石巻の「やってみたいなあ」と思っている
方にも作ってもらえます。小さいけれども被災地の方への自活応援です。

私たち山の手メンバーと、そして新宿高島屋でご一緒した東北村のメンバーも一緒に販売します。
全員自分たちの商品も販売しますが、よっちゃんやみっちゃんや私と共に、南三陸タカちゃんの娘さんノンちゃんと南相馬のKAさん、娘のakariちゃんも一緒に行けるのが嬉しいです。

しっかり売りたいです。全て自分たちの手で作った商品ばかりなので自信を持って胸を張って売れます。
これでたくさん売れたら、ほんとに絵に描いたような東北の経済の復興なんですが。

 

長野の皆さんにも新聞バッグの作り方を知って頂く場を作ります。新聞紙との付き合いが深まれば深まるほど、古いものを利用して、新しい素敵ないいモノを作り出すのは、「おおー!」とみんな揃って声を
上げるような新しい発見があり、また楽しい瞬間です。

お天気がよいことを祈ります。

 

 

素敵で良いモノ

東京在住の版画家のオカザワさんから、お願いしていた手拭いのタグが送られてきました。
手拭いの柄が何なのかが解かる工夫をしたい、と言ったら急いでハンコで作ってくれました。

ダンゴウオ(南三陸や北海道の海に棲む小さい可愛い金魚のような魚です。津波でさらわれて
しまったのかと探したら、ちゃんと岩にくっついて生き残ってました)とワカメです。

とうがらし(海山ネットの二人の男性大黒柱の生産物はなんばん唐辛子と梅です)
とうがらしと梅にはお世話になってます。感謝と東北復興への希いを込めて作りました。

ハンコでこんなものも作れるのよ、と素敵なポチ袋も入ってました。

こういうものが自分で作れるなんて、これまで考えたこともなかった。

私は紙が好きで、時間がある時には文房具屋さんに寄り、便箋だのハガキだの手帳だの買ったり
するのですが、私の好きなものが、それもとびきり好きなものが向こうから近づいてきてくれた、
という気がします。

「素敵だ、素敵だ」と大喜びの私に「誉めすぎよ」とオカザワさんは笑ってますが、オカザワさんの
モノ作りの根っこの姿勢は、お洒落なモノを作るのではなく「素敵で良いモノ」と作ること。

今日事務所で南相馬から避難中のKAさんが新しく作った皺加工の新聞バッグを見ました。
小さいものはもう売り出して仙台のろっけんぱーくで販売中ですが、今日新たに見たのは大きい
A4以上の皺加工新聞バッグです。その完成度の高さには、「うーん、素晴らしい!」と唸るばかり。

彼女は昨年7月に、海山ネットではこれからリサイクル新聞紙を使って新聞バッグを作ろうと決めて
四万十バッグの講習を受け、インストラクターになった10人の中の一人です。
とても研究熱心で工夫を重ね、新聞バッグ作りのエキスパートになってきました。
決して手をぬかず、「素敵で良いモノ」ばかりを作ります。

じゃがいもが似合うような素朴な新聞バッグも、高い値段をつけるほうが妥当と思えるほど丁寧に
デザイン性豊かに作られた新聞バッグも、彼女にとって向き合う姿勢は真剣勝負なのだと思います。

新聞バッグが売れればその代金の一部は仮設住宅での収入になり、手拭いが売れれば新聞が被災地に行き、新聞バッグになって戻ってくる運送費になります。手拭いで作った子供のあっぱっぱが売れれば、
その縫製代金は仮設住宅での収入になります。

素敵でいいモノを作ります。よろしくお願いいたします。