大震災から7か月が経ったが、沿岸被災地では避難所にいた方々が仮設住宅
に入ったくらいが主だった変化で、後は取り立ててどこかで格別の復興が進んだ
という話は聞かない。
たまに仮設住宅に行くと、住んでいる人で住まいの外観に違いというか、差が出
てきたことを感じる。つまりはゆとりのある人は暮らし易いように外観を整え、ゆと
りのない人は仮設住宅そのまんまと具合で、当たり前といえば当たり前のことだ
が、たまに行って外側から見ると胸が詰まる気持ちになる。
私は市街地育ちの都市生活者で、もともと団地育ち。結婚して子育てをしている
間も団地、マンション、郊外の住宅地と、見知らぬ者が寄り集まる住環境で暮らし
てきたが、ここの人たちは違う。
もともとの在所で生まれて育って、顔見知りの住民同士が同じ土地で暮らして
きたのが、ある日突然たった1日で家も仕事も何もかもなくなって、あっちやこっち
で散らばって避難生活をした後、抽選で当たってこの仮設住宅に入った、という
ことなのだ。
その心を想像しようたってできない。
毎日テレビでは国会討論の中継や、復興についての討論などが取り上げられ
ている。取り上げられないより取り上げられたほうが良いに決まっているが、
でも聞いていて、違うなあ、と思ってばかりだ。町の復興は取り上げられるが、
人々の復興が取り上げられていない。
なんか違うなあ、と思うことをこれから書いてゆきたい。