福岡の友人達から荷物が送られてきた。
友達のまたお友達という方から(お歳は80歳を越えられているらしい)これまで
作りためたというキルトのバッグをたくさんと、みんなで作ったというたくさんのお
炊事帽子。全部を売って支援金にしてくださいということだが、あまりにも手の込
んだキルトバッグで、こういうものを簡単にお金に替えていいのかと思うほどレベ
ルが高い。デザインも色使いも都会的で、知り合いの手芸店で値段をつけても
らったら1万円でも買うお客様がいると聞いて仰天。お返ししようかと友達に尋
ねたら、それでもいいと仰ってくださっているというので売ることにした。
もうひとつのお炊事キャップは、どんなものだろうと私自身も思っていたが、可
愛いデザインで、お餅屋の私には丁度よい。三角巾を被るよりよほど涼しく
軽いので、同じくお餅屋の夫にも被せた。出かけたところで帽子を見せたら
あっという間に売り切れた。蕎麦屋の女性たち、厨房で使うという男性、ヘル
メットの下に丁度よいという男性、闘病中の病床で被るという方、使い方はさま
ざまだ。ほんの少しの布地で作れる簡素で可愛いお炊事キャップ。 Oさんに
たくさん作って、とお願いしたが、これからはこうしてみんなが手で作れるものを
作ったほうがいいのではないかしら。私が子育てをしていた頃は、子供の服を
自分で縫っていた。本をみながら。セーターも自分で編んでいた。それが何時の
間にかできるだけ安価な既製品を買い、着なくなったら捨てるような生活を長
年続けてきた。全部が全部とは言わないけれど、少しでも手を使おうよ、と見直
すきっかけになればいい。キルトのバッグはまた作って送ります。目標ができて
ありがたいとのこと。心を込めて作りますから売って支援金にしてくださいという
みんなの想いを受け止めて、丁寧に販売しようと思います。
ありがとうございました。 山の手S記